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やきものの魅力
一口にやきものと言っても、見た目や色、手触りや風合いなど様々な種類があります。その違いは技法や釉薬、装飾などによるもの。ここでは違いの分かりやすいものを紹介します。それぞれが持つ豊かな表情を楽しみましょう。
※紹介したやきものは一例です。原材料の種類や焼き方、使う釉薬などによって特徴が異なる場合があります。
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赤絵(あかえ)
色絵とも呼ばれ、鮮やかな色で絵付けを施した器の総称。焼成後に絵を描くことから「上絵」とも呼ばれ、金彩を施したものは「金襴手(きんらんで)」という。代表的なのは有田焼、九谷焼、瀬戸焼など。
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黄瀬戸(きせと)
日本で生まれたオリジナルの釉薬。淡い黄色の釉薬で全体を包み、表面に緑色の「たんぱん」が浮かび枯れたような雅な風合いが特徴。代表的なのは美濃焼など。
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粉引(こひき)
赤や黒の素地に白い土を浸しがけした陶器。粉を吹いたように見えることから別名「粉吹」とも呼ばれる。萩焼をはじめ広い産地で作られる。
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染付(そめつけ)
白い素地に藍色の文様が美しく映えるやきもの。この藍色は酸化コバルトを主成分とする呉須(ごす)という顔料で絵付けすることで生まれる。代表的なのは有田焼、九谷焼、砥部焼など。
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青磁(せいじ)
中国で完成した釉薬で深い青色が特徴的。透き通るような淡い発色のものは「青白磁」と呼ばれる。代表的なのは瀬戸焼など。
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白磁(はくじ)
透明の釉薬を施すだけで、文様などを描くことのない真っ白な磁気。素地と釉薬に鉄分が少ないほど真っ白の地肌になる。代表的なのは有田焼、瀬戸焼、出石焼など。
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織部(おりべ)
美濃地方で生まれた独自の釉薬。緑の発色が特徴。全体を覆った「総織部」や部分掛けして絵を施す「青織部」などがある。代表的なのは美濃焼。
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焼締(やきしめ)
成形した素地を乾燥して高温で長時間焼き上げたやきもの。土のもつ素朴な風合いと、高温の炎による独特の景色が見どころ。代表的なのは備前焼、信楽焼など。
陶器と磁器の違い
やきものは陶器と磁器に大きく分かれ、その違いは主に原材料の違い。
陶器は「土」もの、磁器は「石」ものと呼ばれます。
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陶器
■陶土(とうど)と呼ばれる粘土が主な材料。
■茶色やグレー、褐色など素地に色がある。
■厚手で重く、たたくと鈍く低い音がする。 -
磁器
■ガラスの材料に使われる長石、けい石を多く含む陶石を粉砕した石粉が材料。
■薄手のものは光にかざすと透き通って見える。
■軽くて硬質。たたくと高く澄んだ音がする。
器の部分の名称
正しいお手入れで
長く楽しむ
陶器の使い始め
米のとぎ汁、または水に大さじ1〜2杯程度の片栗粉を入れて溶かしたものを器に入れて火にかけます。沸騰したら火を止めてそのまま冷まします。冷めたら洗い流し、よく乾かしてから使います。でんぷん質が表面の穴を埋めて、汚れや衝撃に強くなります。
使うとき
陶器や釉薬のかかっていない器は、使用前にぬるま湯にくぐらせると匂いや汚れがつきにくくなります。金属系の釉薬で絵付けされているものは火花が出る恐れがあるので、電子レンジの使用は避けましょう。