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幸せの香りのするパンを焼こう幸せの香りのするパンを焼こう
幸せの香りのするパンを焼こう

街を歩いていて、パン屋さんの前を通るとき、思わず足を止めてしまいませんか。焼きたての香ばしいパンの香りは、とても温かく、幸せな気持ちになれます。そんなお店のようなパンを家庭でも焼ける「おいしいパンの作り方」を紹介します。

■パンの歴史

パンは、今から6000年ほど前に小麦粉を水でこねて焼いたものを食べたのが始まりです。その後、古代エジプトで発酵パンが作られるようになり、ギリシャ、ローマへと広がっていきました。
日本には戦国時代にヨーロッパから伝わったのですが、定着しませんでした。明治時代になって鎖国が解かれてからは神戸や横浜を中心にパンが作られるようになり、日本独特のアンパンが発売されて人気になるなど、パンが広まっていったのです。第二次世界大戦後は、日本の食生活の洋風化が進み、パンはすっかり定着しました。

■家庭で焼く、パンの魅力

焼きたてのパンは香りがよく、ふんわりしていて、それはそれはおいしいもの。市販のパンは、砂糖や添加物などがたくさん入っているものが多いのですが、家庭で焼くと、小麦粉やバターなどをひとつひとつ吟味して、安全で安心なパンが作れるので安心です。好きなものを入れたり、色々な形にしたり、子ども達と一緒に作ったりすることができるので楽しさが広がります。
少しずつアレンジしながら、レパートリーを増やしていきましょう。わが家だけのオリジナルパンができるかもしれません。家族の喜ぶ顔が嬉しくて、きっとまた作りたくなるでしょう。お友達にお裾分けしても笑顔がかえってくること請け合いです。そうやって、パンが笑顔を広げていくと素敵ですね。

自家製パンQ&A自家製パンQ&A

バターロールの作り方バターロールの作り方

道具
計量スプーン、はかり、スクレーパー、温度計、めん棒、刷毛
材料
強力粉…300g、ドライイースト…6g、塩…6g、砂糖…30g、スキムミルク…9g、卵…30g、水…165g、バター…45g
バターロールの作り方
作り方
  1. ボールにバター以外の材料を入れ、卵水を加えよくこねる。生地がまとまり滑らかになったら、バターを加え、さらにこねる
  2. フロアタイム(一次発酵)/丸めてボールに入れ、40~50分くらいかけて発酵させる
  3. 分割して丸める
  4. ベンチタイム 15分/ベンチタイムは、パンの生地を休ませる工程です。生地がやわらかくなります。
  5. 成形/どんな形にするかはお好みで。動物の形や、顔にするなど、楽しんで。
  6. ホイロ(仕上げ発酵)/40℃で50分かけて発酵させる。
  7. 焼成 180℃ 10分/天板に並べて焼きます。卵を塗ると、照りがでます。
バターロールの作り方バターロールの作り方
バターロールの作り方のポイント

パンを上手につくるポイントは分量を正確に量ることと、温度の管理です。ふくらまない、硬いといった失敗は、ほとんどがこの2つが原因です。パンのふくらみに必要な発酵は特に温度が大切です。

世界のパンを味わう

世界中で食べられているパン。それぞれの国でオリジナルのパンがあります。家庭で作りやすいパンと、よりおいしく食べるためのアレンジを紹介します。

ベーグル
ベーグルは横にナイフを入れ、ハムや卵、チーズなど、好きな具をサンドして食べましょう

ベーグル

ニューヨーカーが大好きなベーグルですが、生まれは東ヨーロッパです。ユダヤ人が移住してアメリカに広まりました。ベーグルの特徴といえばリング型であること。もうひとつは発酵させたあと茹でてから焼くことです。このためモチモチした食感が楽しめます。バターや卵を使用しないので、カロリーが低いのも嬉しいですね。

ベーグル

●ベーグルの作り方

材料(10個分)
強力粉…500g、ドライイースト…8g、塩…8g、砂糖…15g、バターまたはショートニング…10g、水…310g
作り方
  1. 材料をこねる。
  2. 30℃で30分発酵させる。フロアータイム。
  3. 80gに分割し丸めてベンチタイムを取る。
  4. ひも状に伸ばし片方の端を平らにし、反対の生地を包みこんで円形にする。
  5. ホイロ(40℃で10分)後、★モルトを加え90度で1分ゆでる。
  6. オーブンで焼き色が付くまで焼く。

★モルトは大麦のエキス。ゆで汁(1ℓに5gの割合)に加えるとベーグルがツヤよく仕上がります。

ピタパン

中が空洞のポケット状になっていることから「ポケットパン」とも呼ばれています。インドのナンにも似ています。ポケットになっているので、中に野菜や肉、豆など具を入れてサンドイッチにしやすい利点があります。

ピタパン

ピタパン
ピタパンにぴったりのフィリング2種

ピタパンにぴったりの
フィリング2種

●タンドリーチキン

材料
鶏もも肉…400g
A(調味料)ヨーグルト…250g、ケチャップ…大さじ2、レモン汁…小さじ1、サラダ油…小さじ1、おろし生姜…小さじ1、おろしにんにく…小さじ1、カレー粉…大さじ1、ガラムマサラ…小さじ1、塩…小さじ1

●タッヤンニョンクイ 韓国風チキン

材料
鶏肉2枚…500g
A(調味料)醤油…大さじ2、コチュジャン…大さじ1、酒…小さじ1、生姜…小さじ1、にんにく…ひとかけすりおろし、塩・コショウ…各少々
作り方〈共通〉
  1. 鶏肉の厚い部分に切り込みを入れる。
  2. Aの調味料に漬け込み30分おく。
  3. オーブン皿にオーブンシートを敷き、250℃で5分焼き、200℃に下げて6分焼く。
  4. オーブンの中にそのまま5分置き、予熱調理する。

ピロシキ

揚げパンのイメージがつよいピロシキは、本場では焼いて食べる方が多いそうです。具材は多様で、肉、魚、チーズなどのほかに、ジャムや果物をいれた甘いピロシキもあります。おやつに食べてみたいですね。スープと一緒にどうぞ。

ピロシキ

ピロシキ

フォカッチャグリッシーニ

フォカッチャは、バターではなくオリーブオイルを使うので、軽い口当たりが特徴です。ハーブやオリーブを入れたものもあります。グリッシーニは、スティック状の硬いパン。生ハムを巻いて食べることもあります。どちらもワインにぴったりのパンです。

フォカッチャグリッシーニ

フォカッチャグリッシーニ

豚まん

豚まんなどの中華まんじゅうも、小麦粉、水、イーストなどの生地を発酵させて作るので、パンの仲間です。
蒸したての豚まんはアツアツを頬張りたいですね。

豚まん

豚まん

シュトーレン

ドイツのクリスマスに欠かせない菓子パンです。もともとドレスデン地方のお菓子がドイツ全土に広まりました。生地にドライフルーツやナッツがぎっしり詰まって、ずしりと重たいパンです。粉砂糖が雪のようです。ドイツでは12月になるとシュトーレンを作って、薄くスライスして少しずつ食べ、クリスマスを待つそうです。ナッツやフルーツの風味が熟成して、クリスマスの頃最高においしくなるのだとか。
食べる時は薄くスライスして、アイスクリームを添えてもおいしいですよ。

シュトーレン